不妊症の治療法

● 原因がはっきりしたものについては、治療をそれぞれにおこないます。

排卵障害

排卵障害に対しては、排卵誘発剤を使い、基礎体温表を参考にしながら、 超音波検査とホルモン検査を使い排卵日を推定します。

排卵誘発剤には、軽度な排卵障害に使う、内服薬のクロミフェン(クロミッド又はセロフェン、フェミロン)や 重症例に使う注射薬HMGなどがあります。

超音波検査では、卵巣の卵胞の大きさを測定します。ふつう8日目~10日目で1.2cmくらい、12日目~13日目で 1.6~1.8cmくらいになり、1.8cm以上になると、1日~3日くらいで排卵することが推定されます。

女性ホルモンの測定(血液、尿)を参考にすることもあります。HCGという黄体化を刺激するホルモンを 注射すると約36時間後に排卵しますので、これでタイミングをとって、性交を指導します。あるいはGnRHa※点鼻薬(ナサニール、イトレリンなど)を使い、 排卵を誘起してタイミングをとることもあります。
GnRHa……ゴナドトロピン リリースイング ホルモン アナログ

卵管障害

卵管障害に対しては、通水、卵管造影等ではっきり閉塞がわかった場合、従来通り、 卵管の手術をおこなう場合と、すぐに体外受精をおこなう場合があります。それぞれの施設で得意とする 技術もあるでしょうが、体外受精の方が、早く確実に妊娠に至るのが最近の状況でしょう。

治療計画

● 当院では、次のような計画で実施していきます。

月経終了ごろ来院していただき、卵管の通水法をおこないながら、子宮・卵巣の状態を診察します。 生理不順のある方ではホルモン検査を早めにおこなうこともあります。 基礎体温をつけてもらいます。 排卵日直前に来院していただき、超音波法で、卵胞の直径を測ります。大きさや形、数などをチェック、 排卵日を推定します。ホルモン検査を併用することもあります。

排卵がはっきりしない、おくれ気味の場合には、次周期よりクロミフェンをつかい 排卵誘発をおこないます。 比較的若い方(30才代はじめまでの方)では、排卵を確認しながら、性交指導を6ヶ月くらいおこない、 それでも妊娠しない場合は、本人と相談し、人工授精を約5周期おこないます。 年齢的にも妊娠をいそぐ方や、精子が少ない方では、6ヶ月をまたずに人工授精をすすめます。 人工授精で妊娠しない場合、しばらく休むこともあります。 また体外受精をすすめる場合もあります。 これらは、女性の年齢や希望をききながら、身体上の条件を考慮して決めます。

最近は体外受精による妊娠率がきわめて良好なために 、早めに体外受精をすすめています。 また、精子の条件が悪い場合や受精卵ができない場合には、顕微授精をすすめます。

これは、今までならほとんど絶望的だったケースも妊娠できるようになり、すばらしい方法です。 以前はHMGという排卵誘発剤を注射して過剰な卵巣の刺激により、たくさんの卵を採取する方法を中心にしてきました 。

最近当院では、加藤レディスクリニックの加藤修先生の 提案した自然周期採卵法を取り入れて、自然に排卵する卵を大事に考え、 できるだけ注射を少なくし、体に負担の少ない治療を実行しています。
この方法は、比較的高齢者にも採卵ができること、副作用がほとんどなく安全なことが特徴です。

積極的に治療をはじめ、あきらめないカップルは必ず妊娠しています。 がんばってください。

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