「いいお産したい。」これは宗田マタニティクリニックの原点です。当院では自然なお産と親子のふれあいを大切にしています。| 宗田マタニティクリニック(産婦人科)

体外受精

体外受精とは

| 体外受精とは | 体外受精の実際体外受精の問題点

1978(昭和53)年7月、イギリスで世界最初の体外受精児が誕生したというニュースに、世界中がわき返りました。

この奇跡的な出来事を成功させたのは、生理学者のエドワード博士と産婦人科医のステプトウ博士の2人ですが、 それ以降すでに、世界では数万人を越す体外受精児が生まれたといわれます。

わが国でも、1983(昭和58)年、東北大学医学部付属病院産婦人科で初めて出産例が公表されて以来、 1997年末までに3万6470人程の体外受精児が生まれています。

体外受精児第1号のルイーズちゃんは、 試験管ベビーと称され、マスコミも大きな試験管やフラスコに入った赤ちゃんのイラストを描いて センセーショナルに紹介したため、試験管の中で赤ちゃんが育つのかしら?と誤解している方もあるかもしれません。

しかしそれは間違いで、 実際は卵管内で起きる受精のプロセスだけを体外で代行させるにすぎません。
それ以降の着床から出産にいたる過程は、通常の妊娠と少しも変わらないのです。

また、人工授精と体外受精とを混同している方もあるようですが、人工授精とはすでに説明したように 、子宮腔内又は卵管まで人工的に精子を加える操作で、受精はしているわけではありません。 正確には人工子宮内精子注入法というべきです。

それに対して体外受精は、卵をとりだし精子を加えて受精卵をつくり、個体が形成される過程のスタート 時点までを体外で行う操作です。体外受精はふつうIVF又はIVF・ETとよばれます。これは「In Vitro Fertilization Embryo Transfer」の頭文字を略しているものです。 正式には、体外受精・胚移植と日本では呼びます。

世界最初の体外受精は田園風景の中に建つボーンホールクリニックで実現

世界最初の体外受精は田園風景の中に建つボーンホールクリニックで実現

研究チーフ カイ女史(写真中央)と宗田院長(右)

研究チーフ カイ女史(写真中央)と宗田院長(右)

■ 体外受精による治療

女性の不妊症のなかで、卵管の通過障害が原因となるものは非常に多く、 その治療法としては薬物療法や通水療法、手術療法などがあり、それぞれに効果を上げています。 しかし手術療法にしても、卵管の悪い部分を切除し、よいところを残すという方法ですので、 その手術が成功するには、卵管内腔の大部分が正常な機能をもつことが条件となります。 たとえば、両側の卵管が全部ふさがっているような場合には手のほどこしようがないわけで、 手術療法にも限界があるのです。

卵管の障害が原因で妊娠しないということになれば、妊娠の成立のプロセスで卵管が受け持つ役割 「 卵のとりこみ、受精、受精卵の輸送とその過程での受精卵の分裂 」を、 卵管以外で人工的に行うよりほかに方法がありません。 体外受精はこのような卵管障害のために考えられた方法ですが、最近では不妊治療の切り札として、 それ以外の不妊症の治療法としても用いられつつあります。

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■ 体外受精はこんなときに
体外受精が適応とされるのは、次のような場合です。● 両側の卵管が閉鎖している
子宮外妊娠などで両側の卵管を失った人や、炎症などによって両側の卵管が
完全に詰まっている人の場合。

● 精子減少症で妊娠しない
体外受精は夫の精子を用いることになっていますので、無精子症は適応になりません。
精子減少症や精子の運動性の悪い人で、必要な治療を行い、
またAIHを行ったにもかかわらず妊娠しないとき。

● 子宮内膜症などの場合
体外受精は子宮内膜症などの場合でも実施することがあります。

● 原因不明の不妊症で妊娠しない場合
あらゆる検査をしても原因がわからず、AIHをくり返しても妊娠しないとき。

体外受精の実際

体外受精とは | 体外受精の実際 | 体外受精の問題点

体外受精の原理をかんたんにいいますと、排卵直前に、成熟卵を膣から挿入した針で採取し、夫の精子を加えて体外の培養プレート上で受精させ、受精卵が2~4細胞に分割したら、子宮にもどして着床させるということになります。 体外受精は開発途上の技術であるためにすべての病院で、同じように行われているわけではありませんが、その代表的な方法を説明しましょう。

funin_taigai_photo卵胞期の管理
卵を採取する
精子の調整
卵を精子に加える
胚を移植する
受精卵を凍結保存する

■卵胞期の管理

【自然周期(クロミフェン周期)】
生理3日目から、クロミフェンと少量のHMG製剤を使用し、体内で卵を数個育てます。 排卵時期が近づいたらスプレキュア、イトレリンなどの点鼻薬(GnRHa)で、排卵をおこします。 これは薬を極力少なくして、身体にやさしい体外受精法です。

【カウフマン療法】
排卵誘発剤の使用過多等により、翌周期以降の生理周期が乱れ、良好卵子採取が難しくなることがあります。 その時には、カウフマン療法により、正常な周期にもどし、良好な卵をとれるよう準備します。

【刺激周期(HMG周期)】
下垂体のホルモンの欠乏など、クロミフェン周期では採卵の難しい方の場合などは、 従来のHMG注射による採卵法もおこないます。

■卵を採取する

成熟したよい卵を多数採取することが、まず体外受精の成功のカギをにぎっていますから、 ほとんどの場合は、排卵誘発剤(HMGなど)を注射し、多数の卵胞成熟をおこします。 最近では、勝手に排卵しないように、ナサニールやスプレキュアという薬剤をつかって調節 することが一般的となりました。

膣からみた超音波画像で卵胞が大きくなるのを観察しながら、尿中、血中のホルモンを測定し、 あるレベルに達すると、ナサニールやスプレキュアの投与を中止し、 HCGという排卵させるための注射をうちます。 普通は、HCG注射後34~38時間で採卵します。 採卵は、膣からおこなうことが普通となりました。 画像を見ながら、特殊な針で、卵胞を穿刺して、卵胞液とともに卵を採取します。

これらが、比較的簡単な麻酔でできるようになったために、外来で採卵を行っている病院が普通です。 形のよい成熟した卵が多数ととれると妊娠させる条件としては良好です。

採取した卵は成熟を完成させるために、培養液中で2~6時間培養します。

■精子の調整

約1週間の禁欲後の条件のよい精子を採り、これをしばらく35℃で放置しておくと、ドロっとした精液がサラっとした液体にかわり、成熟がすすみます。 これに培養液を加えて、遠心分離し、精子を洗浄し濃縮します。 ぺーコールやその類似物を用い、精子の状態による細胞密度(比重)のちがいを利用して、元気のよい、直進運動性のある精子をあつめる場合もあります。 最終的に1mlの中に10万~50万の精子数になるように調整します。 あまり高濃度すぎても、多精子受精になったりするからです。

■卵を精子に加える

卵を精子に加え、24時間培養します。 培養器の内部は、37℃、窒素90%、酸素5%、炭酸ガス5%の状態におかれることが多いようです。
24時間後に、新しい培養液に移しかえます。 この時すでに受精した卵には、変化がおこっており、細胞が分割をはじめていることがあります。 さらに24時間後には、2~4細胞に分裂しています。

■胚を移植する

分割しない卵(未受精卵)と分割した卵(胚)をよく調べます。 2~8細胞に分割した卵を細いチューブをつかって、静かに、子宮腔内に移植します。 細胞の形がゆがんでいたり、不規則な分割をおこした卵では、移植しても着床しません。
形態的にもよい状態の4分割(4細胞期胚)以上の胚が4個以上あると、 妊娠の条件はずっとよくなります。

移植後 6~24時間の安静を保ったあと退院します。 当院では、現在数分~60分の安静を保った後に帰宅しています。

■受精卵を凍結保存する

体外受精をした場合、たくさんの受精卵ができることがあります。 多胎妊娠を防ぐためにも、子宮に戻す受精卵は少なくし、余分の受精卵を凍結保存しておき、次周期以後の母体が妊娠するのに最もよい状態のときに解凍して子宮に戻すことがおこなわれるようになりました。

排卵をおこすために大量の薬剤をつかっている周期の子宮より、自然の周期の方が、子宮の着床率がよいという研究もあり、今後は、凍結受精卵をつくり、利用されることが増えそうです。 しかし受精卵は、生命という考えから、保存をめぐっていろいろな倫理的問題がおこりうるので、慎重な対応が必要となっています。

体外受精の問題点

体外受精とは体外受精の実際 | 体外受精の問題点 |

体外受精は難治性の不妊症の夫婦にとってすばらしい成果を示し、多くの方々に幸せをもたらしています。年間日本で生まれる赤ちゃんは100万人前後と減少していますが、今はその1%の1万人前後の赤ちゃんが体外受精で妊娠し生まれているのです。

当院での妊娠率は移植あたり約25%で、分娩にまで至る率は約20%です。以前はHMGの注射を多くして、たくさん採卵する刺激周期の場合が多かったのですが、当院では平成17年より自然周期の採卵法をとりいれております。

しかし、妊娠を人工的に操作することに批判的な意見があることも事実です。体外受精はまだまだ研究・開発途上の技術である面もたしかで、妊娠率の向上、流産率の低下をめざして、各国で日夜、研究工夫がすすめられている最中なのです。

人工的操作に対し、よく心配されるのは、奇形発生率が高くなるのではないかという点です。ふつうの妊娠では、異常がある場合は、ほとんどが、妊娠初期に流産というかたちで自然淘汰されてしまいます。体外受精についても、この自然淘汰の現象は、そっくり同じように考えられてきました。異常のある精子と卵では、受精できないことがふつうです。たとえ受精しても、その後の正常な発育は行われません。

しかし自然の妊娠とまったく同じとはいいがたいだけに、慎重な対応が常に必要でしょう。

癌治療など先端医療は、大学や大病院が中心となっていましたが、体外受精を中心とした不妊治療は、個人クリニックが主流であり、そのためたくさんの施設で実施されるようになってきてます。しかしながら費用は全て自費であり、20~80万円(1周期あたり)くらいの差が施設により存在し、どこで治療をおこなうかを選ぶことは大切なことでもあり、難しい選択でもあります。最近では所得制限はあるものの、年間10万円の公費助成がされるようになったことは喜ばしいことです。

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