顕微授精

精子の数が特に少ない場合や、動きが悪い場合には体外受精でも受精卵をなかなかつくることができません。

そこで卵の外側を覆う透明帯という殻に穴を開けたり卵の実質の中に精子を注入したりする方法が考えられ、日本でもこの方法で出産した例がたくさん報告されるようになりました。

睾丸より直接採取した精子を使って行う顕微授精でも成功例が出ています。

なお、最近では顕微授精のほとんどは卵細胞内精子注入法(ICSI「イクシー」)でおこなわれています。
卵に傷をつけると奇形が生まれるのではないか思いがちですが、この時期の卵はたとえ傷をつけても、個体のある部分に異常をおこすというものではなく 、修復可能なものです。
また、大きなダメージを与えれば卵は育たないようですから、結局、発育していくものは、心配ないことになります。
とはいえ、成功率を上げるため、どの施設も十分すぎるほど慎重に実施しています。

精子や受精卵は凍結保存も可能なため、たくさんの可能性も生み、また問題も生まれています。

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体外(顕微)授精で懸念されるリスク

女性の年齢とともに、妊娠率は低下、流産率は上昇

女性の年齢が30歳を超えると、妊娠率は低下、流産率は増加します。

一般的に流産率は人工授精と大きな 差はないと報告されています。

■卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

排卵誘発剤を使用するため、その副作用として卵巣腫大、腹水や胸水の貯留などの症状がおきることがあります。重症化すると血栓症をおこすこともある疾患です。
卵巣機能が良い方、多嚢胞性卵巣症候群の方におこりやすくなります。

■採卵時のリスク

採卵による合併症には、膣壁または卵巣からの出血、腸管、血管や膀胱などの臓器損傷、感染症などがあります。

■多胎妊娠

自然妊娠に比べて多胎妊娠の確率が高いとされています。
1個の胚移植でも一卵性双胎になることもあります。

■子宮外妊娠

卵管に問題がある場合など、子宮外妊娠がおきることがあります。

体外(顕微)授精の費用

体外(顕微)授精は自由診療(全て自費)です。

当院の不妊治療の料金(税込)は、体外授精30〜36万円、顕微授精の料金はプラス5万円です。
人工授精は20,000円です。

不妊治療の助成金制度

不妊治療は助成金制度があります。

令和3年3月から体外授精は、所得制限がなくなり1子ごとに6回まで30万円の県からの助成金があり、さらに超過額の50%を市町村が負担してくれるようになりました。

千葉県特定不妊治療費助成事業について
https://www.pref.chiba.lg.jp/jika/boshi/funinchiryou/

市原市特定不妊治療費助成事業
https://www.city.ichihara.chiba.jp/article?articleId=60237b02ece4651c88c18bc6

助成金制度を使うことで、費用負担は以前よりかからなくなりました。お住まいの自治体の助成金制度を調べてご活用ください。

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