不妊症の一般検査

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■基礎体温表の活用

一連の不妊検査は、まず基礎体温表をつけることから始まります。

■基礎体温とは?

基礎体温とは、体温をあげるような要因、飲食や労働、入浴あるいは精神的な興奮や緊張など-がない安静状態の体温のことで、一般的には、朝目をさましたらすぐに、床の中で測ります。

月経周期が卵胞期(増殖期)・・> 排卵期 ・・> 黄体期(分泌期)・・> 月経期と変化していくのにともない、からだの中のさまざまな機能にも一定のリズムを もった生理的な変化がもたらされます。
外的な条件の変化で起きる体温変化を除外し、このからだの内部で起きている生理的な体温の変化だけをとらえるには、つねに一定の条件下で測らなければなりません。 朝目ざめてすぐ、起き上がる前の安静状態で検温するのはこのためです。

妊娠していない成熟女性の基礎体温をグラフにとると、月経周期ごとに低温期・高温期の2相性がくり返されるのがわかります。

基礎体温表からは、排卵の有無やその時期、黄体ホルモンの働きなど、生殖機能についてのたくさんのメッセージが読みとれます。
一連の不妊検査も、基礎体温表をベースとするものが少なくありません。
からだの中の働きを知るための貴重な情報源となるだけに、できるだけ正確に測って記入したいものです。

【 不妊症の一般検査 】

性 別 検査内容 目   的
男 性 1.精液検査 (~5日間禁欲後)・・・・・・造精機能
女 性 2.子宮内膜検査
(排卵後7~8日目)・・・・・卵巣機能
(月経のいちばん多い日)
※卵管検査の予約
3.卵管通過性検査
・卵管通気検査
・卵管通水検査
・子宮卵管造影
●卵管機能(月経終了後より排卵期前に行う)
4.頸管粘液検査 ●精子通過性(排卵期)
5.フーナーテスト (予定排卵日前の3~4日は禁欲し、
排卵日に夫婦生活をして来院する)

■基礎体温の測り方

低温相・高温相に分かれるといいましても、その温度差は0.3~0.4℃とごくわずかですので、かつては必ず婦人体温計を使用してもらいましたが、今はほとんどデジタルですので、どれでも大丈夫です。

朝目がさめたら、からだを動かさずに寝たままの状態で、枕元においた体温計を舌の下に入れて口を閉じ、1~5分間じっとしておきます。
その間、暗くて見えないからと立ち上がって電気をつけたりしてはいけません。

体温は、検温する時刻によって多少の差が出てきますので、できれば、毎朝一定の時刻に測るようにしましょう。といっても、必要以上に神経質になることもありません。

1~2日検温を忘れたり、明け方トイレに立ったりということは誰しもあるものです。
そういうときは備考欄に、その旨を書きそえておいてください。

■基礎体温からわかること

基礎体温表は、排卵の有無や黄体機能不全の診断には欠かせませんが、正確な診断をつけるには、少なくとも3周期以上は記録しなければなりません。

● 排卵の有無と排卵日が推定できる

低温相と高温相の2相性であれば、一応、排卵はあると思われます。月経が順調でも平坦な1相性なら無排卵です。排卵日は低温最終日、もしくはその前後と推定されます。

● 黄体の機能不全がわかる

高温相が全体的に低く(低温相との温度差が0.3℃以下)、しかもその期間が8日以下しか続かない場合は、黄体の働きが悪いことを示しています。この場合は、卵巣の働きを低下させるような何らかの原因があります。

高温相が6日以内と短いときは、無排卵もしくは黄体機能不全のどちらかですが、3日以内しかない場合は、無排卵の疑いが濃厚です。

● 卵巣の機能不全がわかる

月経周期が35日以上と長いもので、低温相が2週間以上も続く場合は、間脳からの指令に反応する卵巣の代謝不良が考えられます。
また、卵子はすでに成熟しているのに、間脳へのフィードバック作用がうまくいかないという場合も多く、しばしば黄体の機能不全をともないます。

これとは逆に、低温相が12日以内と短い場合も、やはり、注意をしなければなりません。
卵子が成熟している間に、一部の卵胞細胞がすでに黄体ホルモンの分泌を始めたことをうかがわせるからです。

● 妊娠の早期診断ができる

高温相が20日以上続けば、まず妊娠と思ってよいでしょう。

しかしなかには、持続黄体存続症といって妊娠していないのに、黄体が持続して、20日以上も高温相が続くことがあります。
妊娠を早期に診断することは、流産防止のためにも大切なことです。

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